壺齋散人の 美術批評 |
HOME | ブログ本館 | 東京を描く | 水彩画 | 日本の美術| プロフィール | 掲示板 |
ミレー「接ぎ木をする人」:バルビゾン派の画家たち |
1855年のサロンは、同年に開催された万国博に吸収される形で行われた。そこにミレーは、三点の作品を出展し、うち「接ぎ木をする人(Le greffeur)」が入選した。この作品は、評価は高かったが売れなかった。当時のミレーは生活に困窮していたので、是非売りたかったのである。 そんなミレーの窮状を、友人のルソーが救った。ルソーは作品が売れて金が入っていたので、その金でミレーを助けてやろうと思ったのである。ただ、露骨に金を渡してはミレーの自尊心を傷つけるので、アメリカ人が買いたいといっているといって、自分はその仲介者としてこの絵を買った。 接ぎ木の作業をする農夫の傍らに、子どもを抱えた女が見守っている。この男女は、もしかしたらミレーとその妻カトリーヌかもしれない。カトリーヌは子沢山で、つねに乳飲み子を抱えていたといわれる。 (1855年 カンバスに油彩 80.5×100cm ミュンヘン、ノイエ・ピナテーク) |
HOME | バルビゾン派 | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011-2021 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |