壺齋散人の 美術批評 |
HOME | ブログ本館 | 東京を描く | 水彩画 | 日本の美術| プロフィール | 掲示板 |
クールベ「白いストッキングの女」:バルビゾン派の画家たち |
クールベには、裸婦へのこだわりがあって、「画家のアトリエ」では、そのこだわりが突然吹き出てきたように感じさせたものだが、1860年代の半ばごろには、興が高じたとみえて、多くの裸婦像を描くようになる。その中にはポルノ写真を思わせるものがあって、クールベの性的な嗜好に眉をひそめさせることもある。 「白い靴下の女(La Femme aux bas blancs)」と題したこの作品は、かなりきわどいものだ。軽く交差させた両脚の合間から女性器の一端が仄見えていて、いかにもエロチックである。 これより二年ほど後に描かれた「世界の起源」には、むき出しになった女性器が描かれている。たしかに世界の主人公である人類は、すべてそこから生まれてくるわけで、「世界の起源」というタイトルに偽りはないのだが、それにしてもあまりの露骨さが人々の度肝を抜く。 クールベのクールベらしさは、きわめて写実的な手法で卑猥な対象を描くところにあるといってもよいだろう。 (1864年 カンバスに油彩 65×81cm バーンズ・コレクション) |
HOME | バルビゾン派 | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011-2021 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |