壺齋散人の美術批評 |
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赤い市松模様のテーブルクロス:ボナール |
「赤い市松模様のテーブルクロス(La nappe à carreaux rouges)」と題されたこの絵は、副題に「犬と一緒の朝食」とあるように、赤い市松模様のテーブルクロスと犬がモチーフ。赤い市松模様を、ボナールは非常に気に入っていて、その模様のテーブルクロスを何度も描いたばかりか、モデルの衣装にも採用している。ボナールの市松模様好みには、かれの日本趣味が反映しているのだろうと思われる。 ボナールはまた犬も好きで、画面のなにげないアクセントとして犬をよく利用した。この絵の中の犬は黒毛で、品種はわからぬが、従順な様子で、自分の分け前を待っている。一方主人である女性のほうは、まるで犬がいないかのように、冷然とふるまっている。 背景も、前景の食器も白く塗られているので、全体として非常に明るい雰囲気だ。室内ということもあって、強い光は感じさせないが、それでも淡い影をつけることで、この部屋にも光があふれていることを示唆している。 (1910年 カンバスに油彩 83×105㎝ 個人蔵) |
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