壺齋散人の美術批評 |
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グリーンのブラウス:ボナールの色彩世界 |
「グリーンのブラウス(The green blouse)と呼ばれるこの絵は、別名を「ヴェルノンの室内」ともいう。現在保存しているニューヨークのメトロポリタン美術館がこの作品を「グリーンのブラウス」と名付けているのだが、もともとは「ヴェルノンの室内」と呼ばれていた。日本ではそのほうで呼ばれることが多い。 ヴェルノンは、セーヌ川下流の村で、そこにボナールは小さな家を買い、そこを拠点にして多くの絵を制作した。その家を舞台にした作品を多く手掛けており、「ヴェルノンシリーズ」として知られている。これもその一点である。 ボナールの色彩へのこだわりが頂点に達したといえる作品で、フォルムは色彩のうちに閉じ込められている。とりわけ、暖色主体にして画面を構成し、ところどころグリーンなどの補色を配してメリハリをつけている。モチーフのブラウス自体がグリーンである。 モデルは内妻のマルト。ボナールの絵のモデルはほとんどマルトがつとめていた。 (1920年頃 カンバスに油彩 102×69㎝ ニューヨーク、メトロポリタン美術館) |
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