壺齋散人の 美術批評 |
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パレットを持つ自画像:レンブラント |
レンブラントの数多い自画像のうち、もっとも有名なものが、この「パレットを持つ自画像」だ。晩年のレンブラントは、モデルを雇う金が無くて、自分をモデルにして描いたのだと、よく言われる。レンブラントにとって、生きることとは描くことだったのである。 ターバンのような頭巾の下から、白くなった髪がのぞいている。すでに老年を感じさせるレンブラントは、この時54歳だった。54歳といえば、現代ではまだ壮年といえるが、レンブラントの時代には、十分に年を老いていたと見え、レンブラントは弱々しい老人にしか見えない。 自分の年を想起させるかのように、レンブラントは時間の象徴である円を、背景に描き加えている。それも二つも。 (1660年 カンバスに油彩 114.3×95.2㎝ ロンドン、ケンウッド・ハウス) |
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