壺齋散人の 美術批評 |
HOME | ブログ本館 | 東京を描く | 水彩画 | 日本の美術| プロフィール | 掲示板 |
眠る女:ルノワールの世界 |
「眠る女 La dormeuse」と題したこの絵は、ソファによたれかかって転寝をしている若い女性を描いている。ルノワールの絵の中の女性は、あまり露骨な官能を感じさせないのだが、この絵の中の若い女は、例外的に官能を感じさせる。 それはおそらく女性の示している無防備な姿態のせいだろう。腰のあたりに布をかぶせているとはいえ、身体を大きく開き、いつでも男性を受け入れるような態勢をとっている。そこにエロティックな雰囲気を感じてしまうようである。 全体に暖色で統一されている、そのため、画面は実に暖かく感じられる。それでいて女性が立体的に浮かび上がって見えるのは、陰影を効果的に配置しているためだ。 (1897年 カンバスに油彩 81×55.5㎝ 個人コレクション) |
HOME | ルノワール | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011-2019 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |