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ルーヴルのメアリー・カサット:ドガの人物画 |
メアリー・カサットはアメリカ出身の女流画家で、1870年代半ば頃に、ドガと親しくなった。彼女は当初ピサロのもとで、印象画風の絵を学んでいたが、ドガのパステル画を見て衝撃を受け、その指導を求めてドガに近づいてきたのだった。ドガは彼女に様々なアドバイスを与え、また印象画展への出展をすすめたりした。その上、彼女の絵を買ってやったり、彼女をモデルとした数多くの作品を描いた。 「ルーヴルのメアリー・カサット(Mary Cassatt au Louvre)」と題されるこの絵は、メアリー・カサットをモデルに使ったっものの代表作。同じような構図の絵が多数残されているから、ドガはこのモチーフを大変気に入っていたのだと思う。 杖をついて絵を眺めているのがメアリー、その傍らで本(カタログ?)を読んでいるのは彼女の妹リディアだという。 ドガは、このほかメアリー単独でも描いており、とくに「カードを手に座るカサット嬢」は有名だが、彼女自身はそれを気に入らなかった。芸術作品としては優れているとは思うが、自分自身としては、非常に不快な気分にさせられるというのだ。 (1879年 紙にパステル 71×54㎝) |
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