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サー・ヒューディブラス 移ろいゆく価値:ホガースの「ヒューディブラス」への挿絵




「サー・ヒューディブラス 移ろいゆく価値(Sr. Hudibras, his passing Worth)と題したこの版画は、「ヒューディブラス」シリーズ12点のうちの第2点目の作品。ヒューディブラスの、聖十字軍というべき遍歴への出発をモチーフにしている。トランペットが鳴り響く中、ヒューディブラスが従者ラルフを従えて、十字軍の遍歴へと旅立つシーンをイメージしたものだが、サミュエル・バトラーの原作にはそのような記述はないので、これはホガース自身のアイデアだとされている。

馬にまたがった二人の人物のうち、前を行くのがヒューディブラス、その後ろが従者のラルフである。「武装は整った。徳と精神力も十分だ」と説明されているのは、かれらの用意周到さを賞賛してのことである。

画面右手前には、農夫とその妻らしいものらが、二人の出発を見送っている。農夫は帽子を脱いで挨拶しているが、女のほうは作物の整理にあわただしい様子。騎士のことなど気にしないで、仕事をしておくれよと言っているように見える。

ヒューディブラスが、十字軍の旅に出るのは、乱れた世の中を立て直すためだということが、やがて明らかにされてくる。



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