壺齋散人の 美術批評 |
HOME | ブログ本館 | 東京を描く | 水彩画 | 日本の美術| プロフィール | 掲示板 |
コロー「モルトフォンテーヌの思い出」:バルビゾン派の画家たち |
コローは、1850年代を通じて、コロー色と言われる銀灰色を背景に使った叙情的な風景画を描き続けたが、1864年の作品「モルトフォンテーヌの思い出(Souvenir de Mortefontaine)」はその集大作というべきもの。コローの代表作の一つに数えられる。 自然の中に人物を小さく配置するという構図は、この時期のコローが得意としたもの。色彩に関しては、背景を銀灰色で幻想的な雰囲気に表現し、前景については、あまりリアルな感じをさせない。わざと大雑把な筆捌きを用いている。そうしたところは、後の印象派に影響を及ぼした。 モルトフォンテーヌは、フランス北部オアーズ県にある小さな村。森と湖によって自然が彩られているそうで、コローはたびたびここを訪れては、終日写生に励んだという。 なお、この作品は1864年のサロンに出展され、国家買い上げとなった。 (1864年 カンバスに油彩 65.5×89.0cm パリ、ルーヴル美術館) |
HOME | バルビゾン派 | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011-2021 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |