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クールベ「石割り」:バルビゾン派の画家たち |
クールベは、庶民の厳しい暮らしを正面から取り上げた作品を描いたことから、「社会主義絵画」の代表選手のように言われることがあるが、「石割(Les Casseurs de pierres)」と題するこの作品は、クールベのそうした傾向の代表的なもの。 構図はいたって単純で、二人の人夫が石を割る作業を描いたもの。故郷オルナンでたまたま見かけた光景を、虚心にスケッチしたのだという。写生であるから、人物の動きに躍動感が漲っている。ミレーの労働をモチーフにした一連の絵にも影響を受けていると考えられる。 1950年のサロンに出展され、大いに反響を呼んだ。プルードンはこの作品を、庶民の貧しさを如実に再現したものだと言って絶賛した。この絵は後にドイツのドレスデンの美術館に収蔵されていたが、1945年のドレスデン大空襲の際に消失した。上の画像は、残っていた写真のものである。 (1849年 カンバスに油彩 165×257cm 消失) |
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