壺齋散人の美術批評 |
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ポン・デ・ザール:ボナールの色彩世界 |
1900年代の半ばごろから、ボナールは豊かな色彩を取り戻していく。「ポン・デ・ザール(Le Pont des Arts)」と題されたこの作品は、1905年に描かれたものだが、色彩的な豊かさを感じさせる。もっとも、寒色主体であって、暖色を主体とした初期の作品とは、かなり違った趣に見える。 モチーフの「ポン・デ・ザール」は「芸術橋」という意味で、ルーヴル宮殿に通じるところからそう名付けられた。北側はすぐカルーセル広場なので、いまでは「カルーセル橋」という名称のほうが普及している。 これはおそらく、「ポン・ロワヤール」から眺めた構図だろう。「ポン・デ・ザール」の後方に見えるのはシテ島。ノートルダーム寺院の尖塔がのぞいている。画面手前には、橋をわたる人たちの横顔が描かれ、セーヌ川には遊覧船が浮かんでいる。この遊覧船には、小生も乗ったことがある。 全体にブルーをきかせ、ところどころオレンジを配して、画面に変化を生み出させている。 (1905年 パネルに油彩 70×55㎝ 個人蔵) |
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