壺齋散人の美術批評 |
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化粧:ボナールの裸体画 |
「化粧(La Toilette)」と題されたこの絵は、ボナールの裸体画の傑作というべきもの。ボナールの裸体画といえば、「逆光の裸婦」が有名だ。「逆光の裸婦」は、光を利用して、印象派風の淡い色彩感を演出していたが、この作品でも、室内の柔らかな光の効果をつかって、淡い色彩感を強調している。使われている色そのものが、明るい中間色であり、その中で、黒が効果的なアクセントとなっている。 構図にも工夫がみられる。手前の裸婦と、鏡に映った裸婦は、いづれも全身像ではなく、身体の一部がカットされている。鏡の中の裸婦は、半分しか映ってないが、画面の角度からして、やや斜め上から見下ろしたふうに伝わってくる。じっさい左手の壁際の丸い小テーブルは、上から見下ろしたような角度である。 モデルは、内縁の妻だったマルトである。マルトは、ボナールのほとんど唯一の女性モデルといってよかった。 (1914年 カンバスに油彩 119.5×79.0cm パリ、オルセー美術館) |
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