壺齋散人の美術批評 |
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庭に面した食堂:ボナールの室内画 |
「庭に面した食堂(La Salle à manger sur le jardin)」と題されたこの絵も、ル・カネの家の室内から屋外の庭園を見下ろした構図。例によって、室内の様子も丁寧に描かれている。手前のテーブルには、食事の支度がなされているが、これが朝食であることは、この絵の別名が「朝食の部屋(Salle du déjeuner)」であることから明らかである。 見どころはやはり色彩。この絵は暖色を主体にしているので、全体に暖かな雰囲気を醸し出している。寒色系は、遠景のグリーンに使われているが、控えめな使い方なので、全体としての温かい雰囲気を損なうことはない。この絵には、とくに室内空間に、光を感じさせるものがあるが、印象派のような光へのこだわりはない。 画面左手の女性は内妻のマルトだろう。これから朝食を給仕しようとしているかのように見える。 (1930年 カンバスに油彩 159×114㎝ ニューヨーク、近代美術館) |
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