壺齋散人の美術批評 |
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踊りの花形:ドガの踊り子像 |
「踊りの花形(L'étoile de la danse)」と題されるこの絵は、「ダンスの教室」と並んで、ドガの踊り子像としてはもっとも有名な作品。この絵をドガは、カンバスに油彩で描くのではなく、紙にパステルで描いた。この頃のドガは、パステルにはまっていたようである。 優雅に踊る花形の女性に焦点をあて、背景となる舞台はごく乱雑に描かれている。それを手抜きと見るのか、それとも主役を引き立てるための工夫と見るのか。この絵は、モチーフである踊り子の存在感が圧倒的なため、背景はあくまで添え物として見るほうがよいようである。 ドガの踊り子像は、斜め上の視点から見下ろした構図のものが多いが、この絵もやはり、上からの視線で描かれている。おそらく二階席から見下ろしたのであろう。 パステルは耐光性が弱いので、保存には最新の注意が必要である。そのため、所蔵者のオルセーでは、光を意識した特別の展示方法を採用しているという。 (1878年 紙にパステル 60×44㎝ パリ、オルセー美術館) |
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