壺齋散人の美術批評 |
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バルコニーのマハたち ゴヤの群像画 |
![]() マハとは、スペイン語で粋な女とか伊達女というような意味である。この絵にはそのマハが二人描かれている。この絵は、サイズとしては大きいのだが、ゴヤはこれを自分の気晴らしのために描いたと言われている。二人の若い女と、あやしげな二人の人物が描かれている。若い女はゴヤのこだわりを示しているのだろう。背後の二人の人物にどんな意味を持たせようとしたのか、よくはわからない。 二人の若い女は、バルコニーの蔭からなにかに見とれているが、彼女らの視線はそれぞれ違ったもののほうに向けられている。背後の二人も、それぞれ勝手な仕草をしている。この四人には共通した要素が見当たらないのだ。 マネの作品「バルコニー」は、ゴヤのこの作品のパロディだといわれている。マネの作品でも、前景に二人の若い女、背景に二人の人物が出ており、しかもみな違う方向を見ている。 なお、この作品には二つのバージョンがある。ロスチャイルド家のコレクションがオリジナル、ニューヨークのメトロポリタン美術館のがコピーだと推測されている。 (1808年前後 カンバスに油彩 162×109㎝ ロスチャイルド・コレクション) |
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