壺齋散人の 美術批評 |
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ラオコーン:ヘレニズム美術 |
ラオコーン像は、1506年にローマ皇帝ネロの宮殿跡近くから出土した。その際には、ラオコーンの右腕と、息子たちのそれぞれの右手は欠けた状態だった。その後、ラオコーンの右腕と思われるものが出土したので、それをもとに復元したものが、現在の形である。 ラオコーンはトロイの預言者で、ギリシャ側から送られて来た木馬の危険性を言いたてたが、女神アテナが遣わした蛇に襲われ、二人の息子とともに殺されたという伝説がある。この像は、その伝説をもとにしたもので、ラオコーンと二人の息子たちが、蛇に襲われて懊悩する表情を捉えている。 なお、作者は、ロドス島出身の三人の彫刻家、アレクサンドロス、ポリュドロス、アタノドロスで、制作年代は紀元前40年前後と推定されている。 これは、ラオコーンの表情を拡大したもの。苦痛にもだえるさまがリアルに表現されている。 |
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