壺齋散人の美術批評 |
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勝ち誇るヒューディブラス:「ヒューディブラス」へのホガースの挿絵 |
サミュエル・バトラー「ヒューディブラス」へのホガースの挿絵四点目は、「勝ち誇るヒューディブラス(Hudibras Triumphant)」と題され、暴動を鎮圧して勝利したヒューディブラスの得意げな表情を描く。 ヒューディブラスは、暴動の首領タルゴを監獄(バスティーユと呼ばれる)まで連行し、タルゴの持ち物を競売にかけようとしている。馬に乗っているのがヒューディブラス、台の上でタルゴの持ち物を競売に向けて展示しているのは従者のラルフ。右手前の、後ろ手に縛られた義足の男が、捕虜のタルゴである。左手の数人の人物は、見物に集まった近所の連中だろう。 競売用の品々は、突き出た柱の上に括り付けられている。タルゴの象徴であるバイオリンとそのケースである。こうすることで、競売の収益のほかに、近隣の住民への見せしめの役にたつわけで、秩序の友としては、一石二鳥の効果を期待できるわけである。 同時代の日本なら、乱を起こしたものは、首をはねられたうえで、その首をさらしものにされたであろう。 |
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