壺齋散人の 美術批評
HOMEブログ本館東京を描く水彩画ブレイク詩集フランス文学西洋哲学 | 万葉集プロフィールBBS


星の天使(Engel vom Stern):クレーの天使




これは、星の王子様ならぬ「星の天使(Engel vom Stern)」を描いたもの。天子の頭上に輝いている星が、天使がそこからやってきた星なのだろう。その星に向かって天子が顔を上げているのは、どういう意味なのだろう。そのほかの点では、天使は翼を広げたまま、二本の脚で歩いている。

この絵は、紙を基体にしてその上に線を描き、それにテンペラ画法で色彩を施している。色によって、画面が差別化されるので、線は厳密にひかれていなくとも、形態が成り立っている。

この天使は、両手でなにかを抱えているようにも見える。それは形のあるものとは限らない。もしかしたら、愛を抱えているのかもしれない。その愛でもって、出会った人々を勇気付けられるように。





HOMEクレー次へ









作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011-2014
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである