壺齋散人の 美術批評 |
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椿姫:ミュシャの世界 |
ポスター「椿姫」は、ミュシャがサラ・ベルナールのために作成した二つ目の作品。椿姫はサラの当たり役で、生涯に300回以上も演じたという。その演技は、原作者のデュマ・フィスをも感心させ、最高の演技だと言わせたほどである。 ミュシャは、1896年の再演のためにこのポスターを制作したのだったが、ミュシャを高く評価していたサラは、衣装デザインも任せた。つまりミュシャはサラの総合美術スタッフとなったわけである。それほどサラはミュシャが気に入ったのである。ポスター以外にの、さまざまな形で、自分のイメージをミュシャに描かせた。 清楚な衣装に身を包んだサラが、横顔を見せて立っている。その髪には、椿姫のシンボルである椿の花をさしている。この時サラはすでに50歳を過ぎていたが、年齢を感じさせない美しさである。 このポスターをサラは大変気に入り、公演以外にも折に触れて飾った。また、1905年のアメリカ公演の際には、足元の椿の色を赤く塗り替えて使ったという。 (1896年 紙にリトグラフ 207.3×76.2㎝) |
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