壺齋散人の 美術批評 |
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ロド:ミュシャの世界 |
これは、吹き付け式香水「ロド」の広告ポスター。南仏リオンの香水メーカーの商品を紹介したもの。画面上段に大きな文字で商品名を書き、その下に、枠組みに収まった美女を描いている。美女は細長い容器を締め付けて香水を発射させていて、その香水は直線的な軌跡を描きながらハンカチを直撃している。この美女は、自分の肌に直接硬水をつけるのではなく、ハンカチにしみこませて、楽しんでいるようである。 美女の髪と衣装のフリルが示す独特の曲線がこの絵のポイントだ。こうした曲線を複雑にからませることで、独特の流動感を演出するのがミュシャの大きな特徴である。画面右下の枠の中には、「どこにでも売っています」と書かれている。会社はリオンにあるが、フランスじゅうどこでも買えますと言いたいのだろう。また、湿っぽくなく、シミにもなりません、と強調している。 このポスターは、女性たちの間で大変な評判になった。そこで人気にあやかろうとする他の香水メーカーも、こぞってミュシャに自社ポスターの作成を依頼したということである。 (1896年 紙にリトグラフ 44.5×32.0㎝) |
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