壺齋散人の美術批評
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白い花瓶と花:ルドンの静物画




「白い花瓶と花(Bouquet de fleurs dans un vase blanc)」と題されたこの絵も、前作同様中国製の白磁の花瓶にいけられた花をモチーフにした作品。前作と比べると、花のボリュームが増している。しかも葉の部分が少なく、花が群がるように咲き誇っている。

背景は一色ではなく、ブラウンから紫系まで多彩で、しかもグラデーションをきかせてある。それに対比させるかたちで、花にブルーを多く取り入れている。そのため、三原色が勢ぞろいして、にぎやかさがいっそう増している。

白い菊のような花が、白磁よりも強烈な輝きを放ち、この絵のハイライトとして効果をあげている。

(1914年頃 厚紙にパステル 73.0×53.7㎝ ニューヨーク、近代美術館) 



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