壺齋散人の美術批評 |
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着衣のマハ ゴヤの肖像画 |
「着衣のマハ(La maja vestida)」と題するこの絵は、「裸のマハ」と一緒にプラド美術館に展示されている。この二つは、もともとゴヤの時代の宰相ゴドイのコレクションであったものだ。「裸体」のほうが先に制作され、「着衣」のほうが後で制作されたようである。ゴドイは、「裸体」のカモフラージュ用に、着衣のマハの制作をゴヤに依頼したと信じられている。 ゴドイは、この二つの「マハ」を秘密にしていたので、ゴヤの生存中に公開されることはなかった。存在が公になるのは、ゴドイの死後フェルナンド七世がかれの資産を没収したときである。その際に、「裸体」のほうがカトリック教会の弾圧を招いた。 モデルの顔やポーズなど、ほぼ総てにわたって、「裸体」と同じ図柄である。裸体のマハに衣装をまとわせたと思わせる。 (1800年頃 カンバスに油彩 97×190㎝ マドリード、プラザ美術館) |
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