壺齋散人の 美術批評
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クレタ美術:ギリシャ美術




クレタ人の美術は、明るく開放的で、海のように流動的だと言われる。その点では、陰気で重厚さを重んじるギリシャ人とは正反対だと指摘される。実際、クレタ美術を見ると、非常におおらかな感じを受ける。一方、そこには彼らの信仰が込められてもおり、牡牛や蛇などのイメージを、美術の中に盛り込んでいる。

上の写真は、蛇をもつ女神の像。蛇は、牡牛とともに、クレタ人にとっては神聖な動物とされた。日本人も蛇を尊ぶが、それは稲の生育を助ける水の神としてだ。クレタ人にとって蛇は、どういうご利益があるのか。この女性の豊かな胸を見ると、収穫の豊穣をあらわしているようにも見える。



これはクノッソス宮殿内部の壁画の一部。女官と思しきおおらかな顔つきの女性の横顔が描かれている。この女性は、考古学者たちによってパリジェンヌと名付けられたが、むしろ東方の後宮の美女といったところだろう。この女性の表情には、たしかにエジプト風の雰囲気が認められる。




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