壺齋散人の美術批評 |
HOME | ブログ本館 | 東京を描く | 水彩画 | 日本の美術| プロフィール | 掲示板 |
観閲の日:ドーミエの風刺版画 |
ルイ・ナポレオンがクーデタを起こすのは1851年12月のことで、その翌年には皇帝に即位するのだが、ナポレオン派は、それ以前から活発な活動ぶりをみせていた。「観閲の日々(Un Jour de Revue)」と題したこの石版画は、そうした策動の一端を批判したもの。 地方遊説から戻ってきたナポレオンを、例のラタポアールが先頭になって出迎え、群衆に向かって「帝国万歳」への唱和をもとめる。唱和しないものは、警棒でたたきのめす。群衆の力による支配を、この図柄は批判しているのである。 ラタポアールらナポレオン派の連中は、ナポレオンによる帝政復活を、このような露骨なやりかたで画策していたのであろう。民衆を洗脳して、あたかもフランスがすでに帝国であるように見せかけているのである。 (1851年7月 リトグラフ 22.0×28.0㎝ シャリヴァリ) |
HOME | ドーミエ | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011-2021 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |