壺齋散人の 美術批評 |
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パロマ(Paloma):ピカソ、子どもを描く |
ピカソとフランソワーズ・ジローとの間には、1949年に二人目の子供が生まれた。女の子のパロマである。パロマとは、スペイン語で鳩のことであるが、実は、この子が生まれた頃、ピカソは国際平和会議のポスターの図案に鳩を用い、ピカソの作った平和の鳩のイメージがパリの町中にあふれていた。そこでピカソは、ひとつの縁と思って、娘をパロマと名づけたのである。 その名の通り、パロマは非常に大人しい子であったと、母親のフランソワーズが後に語っている。めったに泣かず、親を困らせるようないたずらもしなかった。ピカソが彼女を前に据えてスケッチを始めると、いつまでもおとなしくポーズをとっていたという。この絵からは、そんな雰囲気が伝わってくるようだ。 この絵に限らず、ピカソはパロマを描く時には、ほっぺたを丸く強調して描いた。そうすることで、かわいらしさを一層強調しようとしたのだろう。 なお、パロマは成長後パリ大学に学び、卒業後はファッションデザイナーとして有名になった。 (1951年、キャンバスに油彩、55.0×46.0cm、個人蔵) |
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