壺齋散人の美術批評 |
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ペガサス:ルドンの幻想風絵画 |
ペガサスは、ギリシャ神話に出てくる翼をもった天馬である。空高く飛翔するイメージで描かれることが多い。そのペガサスをルドンは繰り返し描いている。すでに石版画にも取り上げていたが、石版画のペガサスは黒く暗いイメージをひきずり、地上を這う姿で描かれていた。 この「ペガサス(Pégase)」は油彩で描いた作品。石版画のものと比べると、画面が明るくなり、また色彩が豊かになっている。ブルーやグリーンなど寒色で背景を塗り、ブラウン系の暖色を前景に配し、バランスをとっている。そのバランスの上に、黄金に輝くペガサスの翼がインパクトを与える。 ペガサスは岩の上にたち、後ろ足で勢いをつけて、今にも大空に飛び立たんと身構えている。その姿が非常な躍動感を表現している。モチーフが左にかたよって描かれているが、そのことで、広々とした空間を感じさせる。 (1905年 カンバスに油彩 64×49㎝ 広島市、ひろしま美術館) |
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