壺齋散人の美術批評 |
HOME | ブログ本館 | 東京を描く | 水彩画 | 日本の美術| プロフィール | 掲示板 |
アポロンの馬車:ルドンの幻想風絵画 |
アポロンは、ギリシャ神話の太陽神である。太陽が東の空から出て天空を移動し、やがて西の空に沈んでいく様子を、ギリシャ神話では、アポロンが四頭立ての馬車に乗って天空を駆けるイメージで表現した。「アポロンの馬車(Le char d' Apollon)」と題されたこの作品は、そうしたギリシャ神話のイメージをあらわしたものである。 ルドンは、このモチーフが気に入っていて、ほかに何点も手掛けている。馬を描くのが好きだったという事情もあるらしい。馬を単独に描いた「ペガサス」のような作品もある。 アポロンを乗せた車を、四頭の馬が引き、天空を駆ける場面である。四頭の馬たちはそれぞれ躍動感に満ち溢れている。その馬たちに向かってアポロンは叱咤激励しているように見える。太陽神というよりは、戦士のイメージである。 ほとんど同じ構図の絵に「アポロンの馬車と竜」がある。両者を比べると、こちらが暖色主体なのに対して、もう一方は寒色主体である。 (1910年頃 カンバスに油彩 100×70㎝ ボルドー美術館) |
HOME | オディロン・ルドン | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011-2021 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |