壺齋散人の 美術批評 |
HOME | ブログ本館 | 東京を描く | 水彩画 | 日本の美術 | 西洋哲学 | プロフィール | BBS |
ブリューゲルの世界:作品の鑑賞と解説 |
ブリューゲル(Pieter Bruegel 1525?-1569)の世界は実に豊饒である。それには彼の生きた時代のフランドルの文化が背景にある。ブリューゲルの絵の世界は、聖書に取材したきわめて宗教的な雰囲気のつよい作品がある一方、民衆の粗野ともいえる因習的な生活に取材したものもある。また、ルネサンスの開明的な雰囲気を感じさせるものもある。それらが混然一体となったものこそ、ブリューゲルが生きた時代のフランドルの文化だったのであり、ブリューゲルはそれを最もよく体現した芸術家だったのである。 ピーテル・ブリューゲルの生年は明かではないが、1525年から1530年の間だろうと推測されている。というのも、ブリューゲルは1551年にアントワープの画家組合に初めて親方として登録しているのだが、通常それは21歳から26歳の間になされるのが慣行だったからだ。確定的ではないが、大きく間違ってもいないだろう。死んだ年が1569年であることは確実である。だからブリューゲルは最大に見積もっても、40代の半ばで死んだことになる。それでもブリューゲルは、ヨーロッパの絵画史に大きな足跡を残した。 ブリューゲルの作風はあまりにも特異なので、同時代のどんな絵画とも似ていなかったが、それでもフランドルの先輩画家ヒエロニムス・ボスの影響を指摘できる。ボスはフランドルの民衆の因習的な生き方を特異なスタイルで描いたのだったが、そのボスのスタイルの一部分をブリューゲルもうけついだといえる。 ブリューゲルの作品として日本人にもっともよく知られているのは「バベルの塔」だろう。これは空想上の建物を微細にしかもリアルに描いたものだが、そのマニアックな微細さが圧倒的な迫力を持って迫ってくるのである。そのほか、農民の婚礼とか祭を描いた作品には、ブリューゲルの生きた時代のフランドルの農民たちの息吹がじかに伝わってくるような迫力がある。 ここではそんなピーテル・ブリューゲルの主要な作品をとりあげ、画像を鑑賞しながら適宜解説・批評を加えたい ネーデルラントの諺:ブリューゲルの世界 謝肉祭と四旬節の争い:ブリューゲルの世界 子どもの遊び:ブリューゲルの世界 イカロスの墜落:ブリューゲルの世界 反逆天使の墜落:ブリューゲルの世界 悪女フリート:ブリューゲルの世界 死の勝利:ブリューゲルの世界 サウルの自殺:ブリューゲルの世界 二匹の猿:ブリューゲルの世界 バベルの塔1:ブリューゲルの世界 バベルの塔2:ブリューゲルの世界 十字架を担うキリスト:ブリューゲルの世界 東方三博士の礼拝:ブリューゲルの世界 雪中の狩人:ブリューゲルの世界 暗い日:ブリューゲルの世界 干し草の収穫:ブリューゲルの世界 穀物の収穫:ブリューゲルの世界 牛群の帰り:ブリューゲルの世界 鳥罠のある冬景色:ブリューゲルの世界 ベツレヘムの人口調査:ブリューゲルの世界 ベツレヘムの嬰児虐殺:ブリューゲルの世界 洗礼者ヨハネの説教:ブリューゲルの世界 サウロの回心:ブリューゲルの世界 怠け者の天国:ブリューゲルの世界 農民の結婚式:ブリューゲルの世界 農民の踊り:ブリューゲルの世界 野外の農民の婚礼の踊り:ブリューゲルの世界 農夫と鳥の巣取り:ブリューゲルの世界 絞首台の上のカササギ:ブリューゲルの世界 人間嫌い:ブリューゲルの世界 盲人の寓話:ブリューゲルの世界 足なえたち:ブリューゲルの世界 嵐の海:ブリューゲルの世界 |
HOME |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |