壺齋散人の美術批評
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ロココ美術の世界


ロココ美術は、18世紀のフランスに起ったもので、建築、絵画、工芸品など広い分野にわたって独時の美意識に基いた美的世界を作りあげた。ブルボン王朝の宮殿を主な舞台として栄えたものであり、王朝風の優雅で繊細な美意識が特徴である。絵画部門では、アントワーヌ・ヴァトー、フランソワ・ブーシェ、ジャン・シメオン・シャルダン、ジャン・オノレ・フラゴナールが有名である。

ヴァトーは、フランスのロココ美術の初期を飾る大家である。バロック美術を自分なりに消化したうえで、独特の美的雰囲気を作りあげた。その作風は、優雅で繊細である。典雅という言葉も使われるが、それはブルボン王朝の宮廷の雰囲気を一言であらわしたものだ。

ブーシェは、ヴァトーなきあとの、ロココ美術の最盛期を代表する画家である。宮廷に強いかかわりを持ち、文字通りフランス画壇に君臨する画家だった。ロココ美術の大家のなかでは、もっともロココ的な作風といわれる。

シャルダンは、庶民の出身であり、その画風は、庶民の生活を写実的に描いたものが多かった。そういう点では、ほかのロココ作家とは違った毛色を感じさせるのであるが、たまたまロココ全盛時代に活躍したことをもって、ロココ美術の代表者の一人に数えられている。

フラゴナールは、いまでは香水のブランドとして有名だが、画家としてのフラゴナールは、ロココ美術の最後を飾る大家であった。かれもまた、ブーシェ同様宮殿と密接な関係をもっていたので、フランス革命でルイ十六世が首をちょん切られると、ロココの退潮と歩調をあわせるように、表舞台から去っていった。

以上四人の作家を取り上げて、作品を鑑賞しながら、ロココ美術の特徴について、解説・批評を加えたい。

(上の絵は、ブーシェの作品「ヴィーナスの勝利」から)


アントワーヌ・ヴァトーの初期作品「眺め」

気恥ずかしい申し出:ヴァトーのロココ世界

ラ・フィネット:ヴァトーのロココ世界

無関心:ヴァトーのロココ世界

ピエロ:ヴァトーのロココ世界

驚き:ヴァトーのロココ世界

メズタン:ヴァトーのロココ世界

愛の調べ:ヴァトーのロココ世界

シテールへの船出:ヴァトーのロココ世界

田園の楽しみ:ヴァトーのロココ世界

フランス喜劇の恋:ヴァトーのロココ世界

ジェルサンの看板:ヴァトーのロココ世界

パリスの審判:ヴァトーのロココ世界

フランソワ・ブーシェ:ロココ最盛期を代表する画家

ヴィーナスとヴォルカン:ブーシェのロココ世界

昼食:ブーシェのロココ世界

ヴィーナスの勝利:ブーシェのロココ世界

水浴のディアナ:ブーシェのロココ世界

ヴィーナスの化粧:ブーシェのロココ世界

ポンパドゥール夫人:ブーシェ

シャルダン:ロココ時代のリアリズム絵画

手紙に封をする婦人:シャルダンの風俗画

トランプの城:シャルダンの風俗画

独楽を回す少年:シャルダンの風俗画

食前の祈り:シャルダンの風俗画

ブリオッシュ:シャルダンの静物画

シャルダン夫人の肖像:シャルダンの肖像画

フラゴナール:ロココ美術最後の巨匠

水浴する女たち:フラゴナールのロココ世界

ぶらんこ:フラゴナールの代表作

霊感:フラゴナールの人物画

読書する娘:フラゴナールの人物画

追憶:フラゴナールのロココ世界

サン・クルー公園の祭り:フラゴナールの風景画



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